「Love Robotics」(生方凛さん)読了

3月のBLフェアのときに委託販売させてもらった
生方凛さんの「Love Robotics」、読み終えました。


アンドロイド受けのBLです。
R18、最後に性描写があるあたり、
正統派のBLではなかろうか。

アンドロイドの「アラタ」は人間に最も近いアンドロイドとして作られています。
人間と比べて欠けているものはたったひとつ、「痛み」だけ。
その欠けているものに起因するアラタの心もとなさが、
なんともいえず、愛しい。
統也とのやりとりを通じて心を得ていく過程や、痛みを覚えていく過程、
その戸惑い、とか、悦び、とか。
アンドロイドと人間の境目、不完全なもの、
どんなアンドロイドよりも人間に近く、でも人間ではない。

ハッピーエンドではあるけれど、決して満たされないものを示唆している気がして、
やさしくも切ない、あたたかな不足で満たされる物語です。
それはBLでしか書けなかったことだと思う。