第二十二回文学フリマ東京参加宣言

我々おとそ大学パブリッシングは
5月1日(日)に東京流通センターで開催される
第二十二回文学フリマ東京に参加することを
ここに宣言する。

文学フリマ東京のホームページ→http://bunfree.net/?tokyo_bun22

我々は入ってすぐ右、壁際の「ア-29」というブース位置に配置される。
万難を廃し馳せ参じていただきたい。



今回のメインとなる書籍は「ともだちの国」である。
文学フリマ東京の新刊だ。
600円。
https://c.bunfree.net/p/tokyo22/3555


琵琶湖の北岸にある架空の宗教国家を舞台にした作品だ。
この国では性は争いを生む忌避されるべきものとされ、
男女の恋愛は、結婚前には許されない。
その代わり、国の人間は同性同士の関係を通じ
恋愛に関するイロハを覚えていく。
その同性の恋愛相手を、「ともだち」と呼んでいる。

国でもっとも美しい稚児であり、また国の元首である大僧正に愛される身でありながら、
稚児なら誰でも使えるはずの秘術「不動」が使えない少年・湖東全を通じて
好きになることの不確かさを描いた。

文学フリマガイドブック掲載作。
鳥散歩マップ企画参加作(宗教で神とされる存在が鳥であるため)


生方凛さんの「Love Robotics」を委託で扱わせていただく。
500円。
https://c.bunfree.net/p/tokyo22/4654


R18のBL(ボーイズラブ)である。
「人間にもっとも近いアンドロイド」がBLの受けとして登場する。
人間と比べて足りないものはたったひとつ、「痛み」だけ。
ただひとつそれが足りないだけで、彼はひどく不完全で、愛おしい。
「心ってすごいね、こんなに広がっていく」
最後の性描写で語られるこの言葉は、本作がBLである必然性を感じさせてくれる。


大人気のBL俳句合同誌「庫内灯」を委託で扱わせていただく。
1000円。
https://c.bunfree.net/p/tokyo22/4653


BLというものを単なる男性同士の同性愛でなく、
「萌えを与えるもの全て」とした懐の広さが素晴らしい。
結果として「575に萌えをぶちこむ」とされたBL俳句のそれぞれは
どれも等しく尊さを与えるものになっている。
「庫内灯」自身もブースがあり、ブース番号は「ス-15」。
https://c.bunfree.net/c/tokyo22/!/%E3%82%B9/15
庫内灯ブースでは秋の文学フリマ大阪で発行される庫内灯2号のチラシを配布しており、
こちらにもぜひ寄って頂きたい。


既刊でもっとも推したいのが「キャンディと王様」(全3巻)である。
各1000円。3巻セット価格は2400円。
https://c.bunfree.net/p/tokyo22/4133
https://c.bunfree.net/p/tokyo22/4134
https://c.bunfree.net/p/tokyo22/4135


尼崎で草野球をする女の子たちの高校3年間を描いた作品。
合計で40万字を越えるという、圧倒的なボリュームである。
その全ては最後、主人公の"エースになれなかった"少女・乙彼若菜が
決め球に「超スローカーブ」(作中ではキャンディと呼ばれる)を選ぶ瞬間のためにあった。
ただ、読まれてほしい。


上記書籍は今回の文学フリマで特に推したい本であるため、
1冊購入されるたび、熊本地震に100円を募金することにする。

また、我々の他の既刊についてもこちらに掲載している。
https://c.bunfree.net/c/tokyo22/!/%E3%82%A2/29


続いて、今回の文学フリマで回ることをオススメしたいサークルについてだ。


白昼社(ア-30)
https://c.bunfree.net/c/tokyo22/!/%E3%82%A2/30
我々のサークルのすぐ隣である。
ここで頒布される「耽美アンソロジー」は
純文学作家たちが各人の美を深く追求した良作であるため、推したい。


cieliste(オ-21)
https://c.bunfree.net/c/tokyo22/!/%E3%82%AA/21
歌人の壬生キヨム氏のサークルである。
小説も面白いのだが、短歌集「ことわりさん」が
素晴らしく幻想的で面白いため、ここに推薦する。


ヨモツヘグイニナ(オ-22)
https://c.bunfree.net/c/tokyo22/!/%E3%82%AA/22
孤伏澤つたゐ氏のサークルである。
サークル名を見てのとおり、深海生物愛を感じる。
つたゐ氏のむせ返るような文学性が高い小説もよく、
ほか、高梨來氏のかわいらしいBLや、
彩村氏の美しい純文学も扱っておられる。
ぜひ足を運び、手に取って好みの本を探したい。


hydra / blue(コ-44)
https://c.bunfree.net/c/tokyo22/!/%E3%82%B3/44
キリチヒロ氏の書かれる青色の世界が大好きである。
もちろん推しは陸・智尋・椎名という男子高校生3人の、海に隣接する田舎町での3年間を書いた
ブルー三部作「ミニチュアガーデン・イン・ブルー」「夏火」「はばたく魚と海の果て」だ。
特に完結編となる「はばたく魚と海の果て」は今回リリースとなる新刊であり、
またhydra / blue名義でのイベント出店は今回が最後になると伺っている。
ぜひ手に入れたい。


長くなったが、参加宣言は以上となる。
もしここまで読んでくださった方がいらっしゃれば、
最後に追加情報を伝えさせていただく。

「赤ちゃんのいないお腹からは夏の匂いがする」
500円。


「赤い表紙の本」と呼ばれている。
今回の新刊であり、また今月発表された群像新人文学賞の一次通過作である。
命の形を問う、ハードボイルドな純文学。
元々今回発行する予定はなく、部数もごく少ないため宣伝を控えていたのだが、
ここにだけ掲載しておく。


それでは、文学フリマ東京にてお会いしましょう。
ブース数が非常に多く、ここに掲載した以外にも、素晴らしい書籍が多くあるものと思います。
釣り銭忘れませんように。
間違って東京靴流通センターに行きませんように。
いい本に出会えますように。
楽しくなりますように。