孤伏澤つたゐさん「ゆめのむすめ」読了。

孤伏澤つたゐさん「ゆめのむすめ」読了しました。
先日の文学フリマ東京にて購入。


この作品は、とある事情により
事前に改稿前のものを読ませてもらっていました。
「特に感想とかはあってもなくてもよいので」というふうに
伺って受け取った原稿、まあ読んで何かお伝えしようかな、と
思って開いたのですが、結局、何も言えなかった。

これはなんだろう、と思って。
ちょっと得体が知れなかった。

これは恥ずかしながら私の読書歴の浅さを鑑みて
差し引いて受け取って欲しいのだけど。
圧倒されてしまいました。

それで今回、改めて改稿後のものになりますが
再度読ませてもらったわけです。
やっぱり、よく分からないな、と思う。
ゲーム「MOTHER2」のラスボス「ギーグ」が攻撃をしかけてくるとき
「ギーグからのこうげきのしょうたいがつかめない!」
という文章が表示されて、
攻撃を受けた主人公たちは悲しくなったり怒ったりびっくりしたりするのだけど、
そんなかんじ。

でも、好きだな、と思う。
人に例えていえば、身近な人を好きになる感覚というよりも、
遠く、それもすごく遠く、神様を好きになるような感覚。
つたゐさんの書く物語は神様の匂いがする。
今ここにある神話だと思う。

この物語を分かるときはあるのかな。
そんな日が来ないほうがいいような気がするし、
一方で分かるひとが羨ましいとも思う。

この小説には彩村菊乃さんの解説が巻末についています。
最後に読むと、小説の細部に「ここにあるよ」と
優しい光を当てて示してくれるような感じで
また物語が豊かになりました。

不思議で飛びぬけた神様の話、だと思っているのだけど、
あなたはどう受け取りましたか。
読んだひとがいらっしゃいましたら、感想を教えてくれると嬉しいです。