壬生キヨムさん「潮伽縮む里」読了。

壬生キヨムさんの「潮伽縮む里」を読了しました。

今年の9月4日に出た本みたいです。
なんのイベントだろ?
何度か買う機会があったと思うのですが、
つい最近まで気づかず。
ツイッターに抜粋を紹介してくれてた人がいて、
それを読んで「これは!」と直感が働いてしまい、
先日11月の文学フリマ東京で買った次第です。

直感を裏切らない本でした。

私は壬生キヨムさんの短歌が大好きなんです。
「過不足なく壊れてる」感じが好き。
この「潮伽縮む里」にも、同じような詩歌的要素を感じて
読み始めたところ、やっぱりそうでした。

BLANKEY JET CITYというロックバンドがいます。
これのボーカルの”ベンジー”が書いた歌詞は、すべて
BLANKEY JET CITY」という町で起こったことを
想定して書かれているそうです。

壬生キヨムさんも同じように「町」を持っているのかな、と思いました。
キヨムさんのほかの本、例えば「ことわりさん」「あくだま」「よくないおしらせ」
なんかもそうなんですけど、どれもひとつの町のなかにある。
で、この「潮伽縮む里」は、まさにその町の象徴みたいなもの、
町のガイドブックみたいな本かなと思います。
すこし不思議な町のガイドブックを読むのが好きなひとははまるのではないかな。

その意味でいえば、「星の王子様」にも似ているかな、と思いました。
サンテグジュペリが今いたら、こういう本を書いたかもしれない。

ちょっと特別な本になりそうです。
たくさん売れてほしい、というよりも、
大切にしてくれる人のものにそっと届けばいいな、
そんなふうに思いました。