「消滅世界」(村田沙耶香)読了。


というわけで村田沙耶香の「消滅世界」を読み終えたよーよー。
何やらツイッターとかで話題になってたので、
気になって購入したのでした。

手放しに「面白い!」とは言いにくいかな。
最近読んだ辻村深月とか桜庭一樹とかと比べると読みにくいし
辻村深月桜庭一樹と違って、書き手としての絶望感みたいなものは感じなかった、傲慢にも。
そこいくと辻村深月桜庭一樹は読んだ中だと抜けてるな、と思います。
ひとつひとつの描写・言葉選びの精度が高すぎる。
読んでて「こんなの絶対書けない」て思うもん(=書き手としての絶望感)

話を戻して、「消滅世界」。
ジャンルとしてはディストピア小説になるのかな、
「セックス」も「家族」も消えた空想世界が舞台。
子どもを作るのにもうセックスはしないし、思春期が来たらみんな虚勢して、
人工授精によってだけ子どもを授かる。
セックスは恋人との間でだけするけど、今となってはしない人のほうが圧倒的に多い。
恋人は夫婦とは別に持つもので、夫婦間のセックスは「近親相姦」といわれ忌むべきこととされる。
千葉県に設立された実験都市ではもっと進んでいて、
高度にインテリジェントされた生きものである人間には、「家族」というシステムは不適切とされ、
代わりに「エデン」という誰もが”子供ちゃん”の”お母さん”になり、
みんなで子供を作るシステムによって運用される。

結構ディストピア小説は書くので、ふんふんと参考にしながら読みました。
ただディストピア小説って雰囲気を楽しむもので、そこで思想のようなものが入ったらノイズになると思うんやけど、どうなんやろ。
あ、でも私も「ポエムの墓」とか「ともだちの国」ではそういうことしてるな。
まあそんなもんか。
あとは、もっとエグイところを攻めてほしいなーというのも思いました。
私が敬愛する作家のみなもとはなえさんが「小説は自分が好きなものをとことん偏愛的に書くべき」ということを仰っていて
すごく心に残っているのですが、そういう意味ではもっとぐいぐいえぐって欲しかった。

このへんは自分にも言えることで、
何にせよもちろん自分より数段上のディストピア小説なので、
つまるところ、とても参考になりました。

今書いてるディストピア小説で生かしていこうと思います。
(全然感想になってないな!)