「METEOR EP」by木野誠太郎、読んでもた。

文学フリマで買った木野誠太郎さんの「METEOR EP」を読んだので
感想などしたためるよ。

木野誠太郎さんは、ツイッターでたまたま流れてきたツイートが面白くて、
フォローして、でサークル名が「少女サナトリウム」という興味を引くものだったので、
新作を1つ購入させて頂いたわけです。

少女性を扱った作品が好きなんですよ。
私の作品は少女が主人公のものが多いし、
(女の子の草野球小説「キャンディと王様」、少女詩集「ko:Gal」など)
読むのもそういうのが好き。

さて、木野誠太郎さんの「METEOR EP」。

まず表紙がえらいかっこいい。
中にも挿絵があるんですが、それもすごいうまい。
体裁全体が整えられていて、同人誌離れしています。

同人誌は製本の作り込みがピンキリなのですが、
「製本がいい同人誌は中身もいい」という傾向は
絶対ではないにしろあります。
なので中身もおもしろいんだろうな、と思って開いたのですが。

ちょっと参ってしまった。
すごい面白い。
読みやすい文体で、展開がテンポよく、それでいて細かな描写にぬかりがない。
カルビー現象」が起こるんですね。
読み始めると止まらない。

木野誠太郎さんのいいところは3つあると思いました。

ひとつは女の子がかわいい。
もうこれだけで作品が成り立つよね。
外見や仕草の描写が適切な場面で適切に書き込まれていて、イメージしやすい。
女の子が本の中で動いてるんですね。

ふたつは幻想性のある筆致が際立っているところ。
具体的な描写のなかに、幻想的な書き込みがあると
そこが超現実みたいにふわりと浮きあがって、読んでてなんとも心地いい。

みっつめは情景描写が細かいところ。
これは好み分かれるかな。
私はノンフィクション好きなので、こういうふうにしっかり描いてくれる作品は大好きです。

これらのいいところがガッツリ現れたのが
「METEOR EP」1作目の「青空さんのメテオ」だと思いました。
青空さんまじかわいい。
それが全てだが、唯一ではない。
ふわふわの青春です。

素直な書き筋なので、ごりごりの純文学が好きな層にはウケが悪いかもしれませんね。
でも「みんな昔はこどもだった」のだから、ほんとうは分かってる。
認めてしまったらさびしいもんな。

さて、とにかくオススメの一作。
メテオの代わりに少女が落ちてきそうな夜に。