2016年振り返り。

というわけで改めて2016年を振り返ろうかと。

カープ優勝にマエケンメジャーデビューと
話題性の高い年になりましたね(野球の話かい)
個人的には日本に帰ってきて1年目ということで
いろいろありました。
というか、この1年長かったな。

■目標のこと。
年の初めに「誠実でありたい」「新人賞の1次に通過する」
という目標を立てた気がします。
というかブログを見るかぎり立てたらしい。

「誠実である」というのは、「好きなものを好きなだけ好きでいる」
ということだと思っていて、まあその通りに過ごした1年だったと思います。
いろいろありましたが、ただ1ついえることは、後悔はない。
やはり嘘をつかないのはいいことです。

「新人賞の1次に通過する」のほうは
「赤ちゃんのいないお腹からは夏の匂いがする」が見事
群像新人文学賞の1次を通過しまして。
嬉しい、という気持ちと、1次止まりかよー、という気持ちがありますが、
ひとまず目標達成ということで、よかったよかった。
この「赤夏」は同人誌として頒布しているのですが、
賞関係なくとてもよい作品だと思っているので、たくさん読まれてほしい。

■執筆のこと。
群像の1次に通ったんですが、
文藝のほうは駄目で、その次に出した群像は結果まだですが
たぶん無理だと思います。
あと地味に中原中也賞にも出してるんですが、これも無理やろなー。
今は小説現代に向けて執筆を進めています。

ようやく書き方が分かってきた気がするのですが、
「分かってきた気がする」と言ってる人は
常にそう言ってる印象があるので、あまりよくない。。

まあ執筆に関しては、わりと迷走した年だったかな、と思います。
主に純文学なのか大衆小説なのかという迷いがあって、
群像に出したやつはそれが色濃く出てた。

ひとまず大衆小説でいこうという心が決まったので、
来年は2次を通過したいな。
あと、たくさん小説を書きたいです。
ただただ、小説を書きたいな、そんな気持ちです。

■テキレボのこと。
今年は文芸同人誌即売会テキストレボリューションズ(テキレボ)に2回参加しました。
3月と10月。
3月はBLフェアというイベントを率いて。
10月は一般参加として。

3月のBLフェアのほうは、110冊頒布したんではなかったかな!
わあい!こんなに頒布したの初めて〜〜。
(まあ殆ど預かりものなので、自分の本がそんなに売れたわけではないんだけど)
アラビアンカフェであやしいスイーツを販売したし、
アラブBLアンソロジーとかいうあやしい本を作ったりもしました。
成功といってよいのでは!

10月は一般参加という形で楽しみました。

テキレボは、参加者が楽しそうだから、いいなあ、と思います。
楽しもう、という意欲を感じる。
楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい、
楽しもうと思って取り組むから楽しいんだと思うので、
あの雰囲気はすごく好きです。
そういう雰囲気の中から新しいものが生まれることも知ってる。

一方で、楽しまなきゃいけない、同調圧力のようなものを感じてる人もいるのかな。
これはちょっともったいないかなーと思います。
どちらかというと優しい人、いい人がそういう風に感じてると思うんだけど、
小説を書く・作る上で何かや誰かにおもねるというのは、うーん、それは違うとしか。
誰だって王様であってほしいと思うし、妨げるものには「うるせーはげ」と思っていてほしいし、
イベントはそのための受け皿であってほしいと思います。
個人の感傷といえばそれまでですが。

来年のテキレボはどうしようかな、行きたいんですが、
4月のほうはタイミングが合わないうちに申し込み締め切りが来そうなので、行けても一般参加かな。
秋の部があれば行きたいですが、どうなるかは分からず。

■zine展inBeppuのこと。
今年はzine展inBeppuという委託オンリーの同人誌即売会に出店しました。
出店というか、委託オンリーなので現地には行かなくてもいいんですが、現地・別府にも行きました。
元々別府という土地が好きだし(防府市民にとって別府はまんまリゾートでした)、
フェリー旅行大好きだし、zine展inBeppuは書籍を大切にしてくれそうな予感がして、
あれよあれよという間にzine展inBeppuに惹かれ、参加することになりました。
主宰の豆塚エリさんの文章もすごく良いんですよ。
詩集「金魚は尾ひれをうしなって」を読んで「詩っていいなあ」と思えたし、
太宰治賞最終の「いつだって溺れるのは」はすごい小説だった。
で、zine展inBeppuに行ってみて、予感通り、書籍を大切にしてくれてるのと、
がんばって売ろうとしてくれてるのが凄く伝わった。
いいイベントだな、と思いました。
イベントを主宰してると「これでいいのかな?」と迷うときが多々あるんですが、
やはり、ただ「書籍を大切にすること」これに尽きるのかな、と思います。
そう教えられました。
あと、豆塚エリさんと、カフェルームのオーナーと(偏屈なオーナーと)
美味しい紅茶飲みながらいろいろお話させてもらって、楽しかったですね。
次会ったときは、あの偏屈なオーナーを言い負かすのが来年の楽しみのひとつです。

■尼崎文学だらけのこと
おっとこれは書いておかねばなるまいね。
主宰イベントですからね。
7月に主宰した文芸同人誌即売会。無事終了しまして。
集客はそうでもなかったけどそれなりに数が出て、
初回としては順当な滑り出しだったのではないかなと思います。
たくさんの方に推薦文頂いて、ポスカや写文頂いて、企画に協力してもらって、売り子手伝いしてもらって、
ありがとうございました。支えられたイベントでした。
基本的なコンセプトとして「小説を書くことに集中してほしい」というのがあって、
理想は「いいものを書けばそれだけで売れる」というところにあるのです。
推薦文はそのためのシステムのうちの1つでした。
自分が宣伝しなくても、いいものであれば他の人が宣伝してくれる。
委託書籍にバンバン完売が出たとおり、ある程度はこの企みは機能したのではないかな。
でも新規(参加者・書籍含めて)には優しくなかったな、という反省があります。
次回はこのへんを強化したいかな。
イベント的にも新しいイベントで、新しいお客さんをどんどん集めないといけないので、
「新しいひと」に対するテコ入れは、来場者さん・出店者さんそれぞれについて
行いたいな、と思います。
書くこと、読むことが純粋に楽しめるイベントであるように。

■読書のこと
商業誌で読んだ中では「ジニのパズル」がとてもよかったなー。
群像新人文学賞受賞作であり、芥川賞最終候補作。
むしろこれが芥川賞でもよかったのでは。。えー(「コンビニ人間」読んでないけど)。
この「ジニのパズル」に影響受けすぎて、一時期文体崩してましたからね。
あげく書いた小説が全然おもんないという。。
大衆小説でいえば小説現代長編新人賞受賞作の「お父さんと伊藤さん」がすごくよかった。
なんせ、ふつうに面白い。
この2作を読めたことは、この1年の幸せのうちの1つですな。

■映画のこと
徒歩5分のところに映画館があるので、今まであんまり映画を見てなかったんだけど、
ちょいちょい行くようになりました。
といってもめっちゃ見たわけではなく
インデペンデンスデイ〜リサージェンス〜」「この世界の片隅に」「君の名は。」を
見たかな。あれ、あんまり見てないですね。
来年はもっと見たいなー。

■旅行のこと。
だいぶ行ったね。
防府鞆の浦、別府、宮津、魚津。
どの場所も大好きです。
魚津が印象に残ってるかな。
水族館も花火もお祭りもすごく楽しかった。
海はきれいで、轟いてた。
魚津の何処にそこまで惹かれるのか、
それを説明することは難しいんですけど、
「瀬戸内の少年の、日本海に対する憧憬」
みたいなものかなと思います。
日本海には、魚津には、自分が選ばなかった選択肢を選んだもう一人の自分、
防府にいた自分と鏡映しの自分がいるような気がして、
懐かしくもあり悔しくもあり、ただ、時々会いたくなるのです。

そんなところかな。
あ、振り返ってみると、なんだかいい1年だったね。
いい人に出会えて、いい場所に行けて、いい本を読めて。
来年もいい年にしたいものです。
日進月歩日々一歩。