鞆の浦のこと。

先日鞆の浦に行ってきたので、その日記。

ホテルに2度泊まったのですが、
1度は祖父を看取るとき、1度は初七日で、
少し特別な旅であったかもしれない。

しかし宿泊地に鞆の浦を選んだことに大きな理由はない。
大阪から山口の間の、ちょうどいい場所のホテルを探す必要があっただけ。
金曜の退社後に車で出発するなら、1日では辿りつけない以上、中継地点が必要だからね。

強いて云えば、その場所は「崖の下のポニョ」のモデルになったと聞いていたので、
一度行きたい場所ではあった。

鞆の浦は、少しだけ不思議な場所だった。

まず鞆シーサイドホテルというところに泊まったのですが、
「絆が深まる宿」といたるところに書いてある。
内装がやたらと古く、昭和のままの装備が残っている。
WiFiなんてもちろん無い(Softbankに加入してる人は使えたようだけど)。
あちこちでそこはかとなく感じる、非日常感。

「感謝」と書いてある牛乳をたよりにウェブで調べたところによると、
ホテル含めこのあたりの施設は「感謝グループ」という団体によって
運営されているらしい。

明朝、同じく感謝グループにより管理されている仙酔島に行く。

仙酔島から見た、鞆の浦の眺め。


鞆の浦仙酔島の間にある弁天島
周りをサメが回遊し、非常に危険とのこと。


春、海には誰もいない。
波の音しかしない。


仙酔島にはいくつか宿がある。
写真は国民宿舎で、目の前にはビーチが広がる。
ほかにも「人生"感"が変わる宿」がある。


露天の温泉が湧いている。


キャンプ場。
桜が今を盛んと咲いていた。


タヌキがいる。
元々この島の生態系にはおらず、
感謝グループによって育てられていると聞いている。

ただ、不思議な場所であった。
観光というものを文字通り"光"を"観る"ものとするなら
こういう場所は不適切かもしれない。
非日常で、しかし生々しく、ぞくりとする。
観光なら、よく出来たディズニーランドのような場所に行くべきだ。

しかし私はまた鞆の浦に行きたいと思っている。
取り立てて好きな場所ではないし、好きになることもないだろう、たぶん。
ただ、間違いなく魅力的である。
魅力は必ずしも美しく優しいものではなく、
その逆のものすら暴力的に
私たちを惹きつけてやまないことがある。