「キャンディと王様」Kindle版・発行

ええと、すごく嬉しいのだけど。

「キャンディと王様」Kindle版が発行されました。

キャンディと王様第1章 (白昼社)

キャンディと王様第1章 (白昼社)


まずは1巻。
定期的に発行され、全6巻まで続きます。

尼崎市の、千船という町で、
高校生活を草野球に捧げる少女たちの
3年間を描いた作品です。

書き始めたのは、2013年4月かな。
ちょうど台湾に赴任した時期。
それで初稿が終わったのが12月くらいで、
改訂が終わったのが次の年の4月くらい。
1年間かけて書いた作品。40万字以上ある。

この作品があるから、ここまで他の小説を書いてこられたと思う。
他の小説を読んで面白いと思ってもらえたら「キャンディと王様」を読んでもらえるから
だから書いてこられたと思う。
発行して2年間。とにかく分厚いし、正直かなりダウナーな話なので、
残念ながらあまり読まれてない。
お勧めとか、推薦とか、うまくできない。
ただ、読まれてほしいと思う。
小説を書き始めた原点で、魂のようなものなので。
自己完結的な、勝手な願いではあるけれど。

この小説の執筆に当たっては、かなり白昼社・泉由良の手が入っています。
なのである意味では、ネタ出し:にゃんしー、執筆:泉由良、みたいな側面はある。
(泉由良が書いた部分はたぶん5%くらいではあるけど、でも大事な5%です)
泉由良の協力に感謝しています。
そして、泉由良の小説を好きな人にも、この作品が読まれてくれると嬉しい。

この本は文学フリマガイドブック7号に掲載され、書評をいただいています。
書籍版の「キャンディと王様」を読んでくれた方、本当にありがとう。

分厚い3巻構成に驚きましたが、いかにも高校生っぽい性の問題(これが結構生々しい)と、
悩みのなさそうな無敵ピッチャーの鬱。
2巻目で沈みに沈んで、3巻目から始まる巻き返しの快進撃が非常に快感。
悪者が悪者として存在せず、いかに自分で自分たちを救うかっていう点で
意外に深い作品になってます。

文学フリマガイドブック書評:想詩拓さんからいただきました)

少女たちの周囲、手を伸ばせば届く場所には、読者である私たちの見知った言葉が散在する。
そうだ、これは現在の。そして過去の。これは少女たちの視界だ。
手の届かないものは未知の異物で、それらから身を守る永遠にも思える保守的な楽園。
秘密裏の裏切りと罪悪。世界は崩れる。未来、受験、異性、未知のもの、
全て日常に含まれるものによって。
彼女たちは野球を愛した。誰より身近な親友を愛した。
必ず来る別れの前に。

文学フリマガイドブック書評:犬尾春陽さんからいただきました)