テキストレボリューションズ所感(出店者視点)

というわけで10月10日に浅草で開催された
同人誌即売会「第2回テキストレボリューションズ」に参加してきました。

サイトはこちらですね。
http://text-revolutions.com/event/archives/2300

のちのち参加レポートも書こうと思いますが
先にイベントに参加してみての所感的なところを
熱いうちに残しておこうと思います。
今後出店される方の参考になれば。
本当はお客さま視点でもアピールしたほうがいいんだろうけど
集客を求めるならブログより他のメソッドのほうが有効だろうし
あえて出店者視点オンリーで。

文芸オンリーの同人誌即売会といえば
たぶん一番大きいのが「文学フリマ」(以下、文フリ)、これは東京では700ブース近くの出店を誇る上、
大阪(300ブース前後)・金沢(100ブース前後)・福岡(100ブース前後)・札幌(100ブース募集予定)などでも
開催されていますね。
ほか「本の杜」(川崎市/50ブース前後)、
あと詩が中心になるけれど「東京ポエケット」(東京/たぶん30ブース前後)、
「福岡ポエイチ」(福岡/30ブース前後)とか。

テキストレボリューションズ(以下、テキレボ)は、東京開催・100ブース前後で、
単純に規模を比べるなら

文フリ東京>文フリ大阪>テキレボ>文フリの他の地方開催>他のイベント
になるのかな。

参考までにうちのサークルだと、
■頒布部数
文フリ大阪>文フリ東京>テキレボ>文フリ金沢

■頒布金額
文フリ大阪>テキレボ>文フリ東京>文フリ金沢
です。
まあ大阪はホームなのでね。

うちは文フリとテキレボしか出たことがなくて、
テキレボは第2回開催であった今回が初参加なんですけど、
文フリとテキレボは、同じ文芸オンリー同人誌即売会でも
全く違うイベントという印象。

文フリ東京とテキレボで、それぞれの現時点でのいいところを
個人の印象/主観ながらまとめると、
■文フリ東京のいいところ
1.客足がはるかに多い。場所にもよるけど、ブースにお客さまがくる頻度は
 文フリ東京のほうが高かったかな。

2.カレーの出店があっておいしい。

3.「本を売る」ことに特化しているので、そこに集中したい出店者はこちらが有利。

■テキレボのいいところ
1.出店者の短編が掲載されたアンソロジーが頒布され、
 どのような作品なのか傾向を分かってもらうことができる。

2.委託販売を受け付けているため、当日会場に来ることができなくても作品を頒布できる。
 本があまりないのでブースを出すほどではない、とか、場内の本をじっくり見たい、とか、
 ブースを出したくない事情がある場合にも委託販売は便利。

3.お買い物代行サービス(要は場内の本を通販で買える!)があるので、
 会場に来られないお客さまにも本を買ってもらえる。

4.様々な企画や展示があって楽しめる。テキレボ運営に相談すれば、
 自分で主催することも可能。

5.ブースの面積が、第2回だと90×90cmと広く、多彩な設営をすることができる。

6.休憩コーナーの設置、見本誌の棚、出店者へのワゴンサービスなど、
 細かいところまで手が行き届いている。

7.出店料が比較的安い(本日時点では、文フリ東京は5500円で、テキレボは4000円)
あっ、なんかテキレボのほうが多くなってしまいましたけど、
そっちに誘導する記事ではありませんので念のため。
結論からいうと、文フリにもテキレボにも、両方に参加したほうがいいと思うんですよ。
ただそれぞれで特長が違うし、そうなると売り方も変わるので、
それぞれのイベントをそれぞれ違う楽しみ方で味わってはどうでしょう、という記事のつもりです。

で、それぞれの特長なんですけど、一言でいうと
「文フリは本を売る、テキレボは企画を売る」
という印象です。

文フリはとても分かりやすい。
いい本を書いて、それを売る。基本的にはそれだけ。
宣伝とか、ブース設営とか、売り上げを左右する要素は他にも多分にありますけど、
出来ることはそんなに多くはない。

テキレボは、できることがいっぱいあるんです。
企画の主催や参加もそうだし、90×90cmという大きなブース面積だっていろんな設営ができる。
単に本を書いて売るだけだと、埋もれてしまうし、たぶんあんまり楽しくない。
テキレボって、要はお祭りなんですよね。
みんなが楽しくなれる。

それを内輪だって言われたらそうだと思うけど、でも野球だってアイドルだってガンダムだって、
「すごく大きな内輪」でしょ。

例えば漫才のライブに行って、知ってる有名な漫才師だと笑えるのに、
初めて見る漫才師だとうまく笑えない感覚ってありません?
たとえ同じネタだとしても。
その「知ってる有名な漫才師」が持っている、「何か楽しいことが起こりそうな空気」、
それが内輪というものの正体だと思うんです。

その漫才師を知らない人とは共有できないからね。
でもその場にいてみんなが笑っていると、自然と一緒に笑ってしまう。
それが内輪が広がるということだと思うんです。

テキレボも、
そういうふうにみんなで企画を打ってどんちゃん騒いで、
一緒に楽しくなれるイベントなんだと思います。

何が一番良いって、そういう楽しい空気を持って帰って読んだ本は、絶対にいつもより楽しめる。
それが一番、テキレボの文芸イベントとしてのいいところかなーと。

文フリとテキレボは、ある意味では相互補完的だと思います。
文フリで純粋に本の質を磨いたら、テキレボでその本を出したときにウケるし、
テキレボで面白い企画をできるようになったら、それは文フリで効果的な売り方をすることができる。
できれば両方のイベントに1回は参加してみて、それぞれのいいところを見てほしいです。
合う合わないはもちろんあると思いますけどね、僕自身が快楽主義的な人間なので両方楽しみましたけど、
そうではないひともいるだろう。でもそれは、参加してみないと分からない。

文フリはいいイベントだと思っていますが、でも文フリにはできないことがあった。
そこでテキレボというイベントが誕生してくれたことが嬉しいし、
これをきっかけに両方のイベントとか、文芸界隈が盛り上がってくれると嬉しいです。

p.s.あ、ちなみに「テキレボは純文学系には不利」という説があるみたいですが、
今回、うちのサークルで一番と二番に売れたのは純文学の本でしたよ。
なので、「純文学サークルがテキレボで何か面白いことが出来ないか」というのは、
ひとつの面白い挑戦だと思います。