「切腹事始」by唐橋史、読みました。

第二十回文学フリマ東京で手に入れた
唐橋史さんの「切腹事始」を読みました。


唐橋史さんは、歴史アンソロジー「日本史C」を主催されています。
これが文学フリマ界隈で大ヒットで、続編の
「世界史C」「日本史D」なんかも続々と発行されています。

「日本史C」の中でいちばん面白かったのが唐橋史さんの書かれた短編でした。
この人の作品はぜひ単著で読みたい、と思い、購入。
好みの作家が見つかるのは、アンソロジーのいいところですよね。

「騙る女」「切腹事始」の二編が収録されています。
後半の「切腹事始」がとても面白かった。
日本史についてはあまり詳しくないのですが、
その視点から見るかぎりは、しっかり歴史考察が行き届いているように見える。
細かいところの描写も密に書き込まれていて、読み心地が非常に良い。
歴史小説って、独特の設定に入れなくてストレスになることがままあるのですが、
この作品は全くそれを感じない。
描かれている世界に吸い込まれて、純粋に楽しむことができる。

夢中になって読み切りました。
歴史小説に触れたことがない人にも、おすすめしたい一冊です。