文學界ラブレター特集

文學界新人賞の原稿が片付いたので、
改めて文學界を読んでます。

いま見てるのはラブレター特集。
いろんな方が文字通りラブレターをしたためてるんですが、
これがちょっと、めっちゃ面白い。

川上未映子俵万智高樹のぶ子よしもとばなな……。
文学界のスターが書くラブレターというのは
これほどまでに威力があるものなのか。
語彙や表現の豊かさはもちろん、その裏にある精神の潤いを
感じずにはいられない。

壇蜜とか、生粋の作家ではない方もラブレターを寄せられていて
それも含めてとてもいい企画。
さらに、なんと寺山修司が生前書いたラブレターまで
掲載されているという。

垂涎でした。

川上未映子は、文章が美人だと思いました。
美しい文章、というのとはまたちょっと違う。
しゃんと生きている、というのは美人という表現がしっくりくる。

俵万智
ベストセラーの「サラダ記念日」をちょっと知ってる程度だったんだけど、
このひと……短歌のレベル、めちゃめちゃ高くないか?
今までアマチュア・プロ問わずそれなりに短歌読んできたんですけど、

恋という遊びをせんと生まれけん かくれんぼして鬼ごっこして
「もし」という言葉のうつろ人生はあなたに一度わたしに一度
これほどまでに尖鋭な感性を、今まで短歌で見たことないんですけど?
「大切な人を亡くしたら、心に墓を建てる」
ずっと忘れたくない言葉。

高樹のぶ子
「ノンちゃんは雲に乗ったことがありますか?」
うわ何この誘い文句!えろい!
そこから繋がる、雲遊びに隠した性描写。
あの行為は、こんなに美しく艶めかしく表現できるんですね。
恐れ入る。
「ノンちゃん雲に乗る」読まないと。

上に挙げたのはほんの一部で、
ほかにもすごくすごくいい、愛と情熱と感性に溢れたラブレターを
たくさん読ませてもらいました。

大好きなひとにラブレター書きたくなるね……?

鍛えようと思います。文章力も、精神も。
美しい文章を伝えられるように。
愛しているというのは言葉の使い方が間違っている。
愛してきたといわなければならない。
愛というのはいつも現在完了形としてあらわれる。
山本容子のラブレターからの抜粋です。