巧打の三塁手・遠藤弥勒

小説「キャンディと王様」の登場人物を紹介します。



三塁手・遠藤弥勒は主人公ではないんだけど、
すごく思い入れのあるキャラ。

野球に関していえば、右投げ右打ちで、
千船女子高野球部イチの巧打者。
守備でも打撃でも、粘り強いプレイが特徴。

貧乏な大家族に生まれ、子どもの頃を広島で過ごしています。
作中でも、広島弁をしゃべります。
いろいろ苦労はしているはずなんですが、
周りには決して見せない。
それは無理しているのではなく、ナチュラルに明るい性格なんです。

万引きとか、悪いことをするのを躊躇しない一面もあります。
このあたり、描くのが大変でした。

顔がかわいらしく、いうたったら色気のある身体つきをしてるので、
ファンの数は千船女子高野球部内で1,2番目に多い。

彼女の野球の原点は、子どもの頃に行った広島市民球場にあります。
平和記念公園で原爆の展示を見たすぐあとに広島の野球に触れることで
遠藤は「広島では野球と生きることが繋がってる」のだと理解します。
学校の成績は悪いけど、すごく頭のいい子なんです。

「生きるとは何か」
彼女が野球を失い、取り戻していく中で反芻するその問いは、
作中では明示的には描かれないサイドストーリーです。