友だち思いの一番打者・佐々木悠

小説「キャンディと王様」の登場人物紹介、
今回は佐々木悠。



左投げ左打ち。一塁手
背がめっちゃ低くて、でもめっちゃ足が速い。
なので当然のように一番打者。

しかし佐々木が一番打者を打っているのは、
ほかにも理由があります。
佐々木は「友だち思い」なんです。

「一番打者って、後ろにいっぱい友だちがいてくれるじゃん。
だから私、どんなことをしても出塁しようって思ってた。
そうしていっぱい走って、友だちが笑顔になってくれたら最高だから」
そして佐々木が塁にいるときには、千船女子高の打率も上がる。
友情でつながる「ヘビーローテーション打線」の起爆剤です。

やさしい選手がしばしばそうであるように、
気が弱く、上がり症という一面もあります。
終盤でのチャンスになると、打率がぐっと下がる。

最後の試合、重大な場面を任された佐々木は、
やはりいつものように身体の震えが止まりません。
「神様にでも祈りなよ」
相手捕手にそう言われて、佐々木の脳裏にずっと憧れた
あの選手の姿がよぎります。

佐々木の神様とは?

でも野球をしていないときは、
友だちが好きで、やさしくて、気が小さくて、一生懸命で、
おっちょこちょいで、時々前髪を短く切りすぎたりする
そんなどこにでもいる女の子です。