ヒーローはお前のなかにいる。

昔……5年くらい前かな。
ポエトリーリーディング」というまあ、
分かりよくいうと「詩の朗読」をしていたころね。
商業ベースでCDを作ろうとしていたことがあって
朗読を載せる音楽を探してたんです。

いい音楽を作ってくれる、
いいトラックメーカーいねがーって。
(音を作るひとのことを「トラックメーカー」といいます)

そったら、ちょっとそのへんのことを
かじってるひとに、こんなことを言われた。

プロのトラックメーカーに頼むのは難しいだろうけど、
プロの技術を持っているひとは無名でもいくらでもいるよ
結局そのCDの話はぽしゃったんだけど、
そんときに言われたことが、最近だんだん分かってきました。

アートの世界には、おんねんな。
プロじゃないけど、プロの技術を持ってるひとが、ぎょーさん。

ガチガチのプロの「ピラミッド」が形成されている
野球の世界でも、杉浦正則みたいな選手がおんねんもんな。
杉浦正則……
ひとよんで、「ミスターアマ野球」。
「いつでもプロで二桁勝てる」
(=下位球団ならエース級です)
実力を持ちながら、生涯を通じてプロにはならず
マチュア野球を貫いたひと。
マチュアならではの技術ってのもある。
マチュアならではのプライドってのもある。

周りに、プロじゃなくてアマチュアやけど、
めっちゃええ音楽を奏でるひととか、何人かおって、
そういうのに触れるの……音楽だけじゃなくて、
感性に触れるのが、最近しあわせです。


いま28歳やけど、
あと2年したら、台湾に行くかもしれん。
そったら30歳か。
台湾に3年くらいおって、
帰ってきたら33歳か。

未来はわからへんなー。
「やまだたいちの奇蹟」ていう野球マンガに出てくる、
山田泰二の台詞で、好きな言葉があって、
決してこうして、なかなか自分の思い通りにいかないから、
だから野球がやめられないでいる。
「野球」を「生きること」と言い換えてもいい。

「パソコンの父」と云われた、Alan Kayが言ってたな。
未来は予測するよりも、作るほうが簡単だって。