数字のおはなし。

きょう会社で、先輩にこんなことを言われたんですよ。

この機械は壊れているかもしれない。
壊れているとしたら、1/10の確率でエラーが起きる。
壊れているか壊れていないか、だいたい分かるまで
操作をしてみてくれないか。
まあだいたい10回くらいやれば、ええかなーと思って10回やりました。
エラーなし。
たぶん、故障してないやろう・・・


みんな同じように考えると思うんですよ。

1/2の確率の事柄なら、2回やれば、だいたい出るだろう。
1/3の確率の事柄なら、3回やれば、だいたい出るだろう。

1/100の確率の事柄なら、100回やれば、だいたい出るだろう。

1/xの確率の事柄なら、x回・・・
そう考えるでしょう。

でも実際に、このとき「でる」確率って、どのくらいなんでしょうね?


1/2で出る操作を2回やる場合は、1-{\frac1{2}}^2 = 0.75。
1/3で出る操作を3回やる場合は、1-{\frac2{3}}^3 ≒ 0.70。

1/10で出る操作を10回やる場合は、1-{\frac9{10}}^{10} ≒ 0.65。

こうなるね。


これを、1/2から1/100までグラフにすると、こうなります。


おっ、これって、「収束」するんじゃね?
そう考えます。

1/xで出る操作をx回やる場合は、1-{\frac{x-1}{x}}^x

これの極限lim_{x\to\infty}をとればよい。


・・いくよ。

lim_{x\to\infty} (1-{\frac{x-1}{x}}^x)
=lim_{x\to\infty} (1-(1-\frac1{x})^x)
=lim_{t\to{-\infty}} (1-(1+\frac1{t})^{-t})
=lim_{t\to{-\infty}} (1-\frac1{(1+\frac1{t})^t})
=1-\frac1{e}
≒0.631

だいたいね。
63%。

おもしろいなあ。
自然対数の底まで出てきた。

63%ていうのは、
直感的に「いける」と思える数ってことなんやろうね。


・・・と先輩に報告したら、
仕事せーよ。
と言われてしまいました。
チャンチャン!