社会派。

社会派的表現については、
社会にコミットしたいっていう
それだけで終わってるものが多いなって印象。


例えば地球温暖化について
「地球が危ない」ていうそういう脈絡で表現するのは
選択肢のひとつではあるんだけど、
地球温暖化によって労働生産性がこれだけ落ちるっていう試算が
行われていることはご存知なのだろうか。


社会派的表現をするにあたって、
事実関係をどれだけ把握してるのかな、てところで
脆弱なものが多い。


派遣社員の立場がどうこう言う人が
意外と日経平均株価が10%レベルで下がってることを知らなかったりする。


地球温暖化が問題なのは、
地球が危ないからなのか、経済性が失われるからなのか。
派遣社員の立場が弱いのは、
そういうシステムがあるからなのか、市場が不況の状態にあるからなのか。
本質が見えないと優れた社会派的表現は難しいし
そのためには訓練が必要だと思う。
知識の獲得と、考える力の鋭敏化。


そのためには、詩を書いていては難しいと思う。
詩を書くことで、言葉の選択はうまくなっても
同時にそれによって本質から逃げることができる。
ごまかすことができる。
それが「詩」の怖さなんだ。
詩を書くことで、目が悪くなったひとを何人か見た。


僕もそうかもしれない。
社会派的表現をしようとは別に思ってないけど、
理解する力が弱くなってないかなーとか思う。
そこで、小説を書き始めようと思っている。
あれはアートフォームがソリッドなので、
嘘のことを書いたらすぐばれるから。