うつくしいものをしらないとうつくしくなれない

というわけで、文學界、読み進めてます。

今日は

柳美里
片岡義男
井上荒野
綿矢りさ
西村賢太
長野まゆみ
を読みました。

今日、中原昌也を読み終える予定で、これでちょうど半分。
ここでいったん、自分の原稿の執筆に戻ろうと思います。

すげーな!と思った作家が二人。


柳美里
この人を知らなかった自分にびっくりだよ!
描写がかなり細かくて
「こんなにめんどくさい描写いるんかな」
と思いながら読み進めてたんですが、
それがだんだんと意味を持ち始める。
うまいひとと将棋を打ったときに似てる。
「あの手はここでの攻防を睨んでいたのか!」
みたいな。

最後まで読み終わったときには、描写に対する印象が
「こまかくてめんどくさい」から
「繊細で美しい」に変わっていました。

衝撃的だったのは、僕が小説を書く上で
素人なりに持ち続けた理想像に近いということ。
こんなこと言うのは恥ずかしいんですが。

ただ描写を連ねるのではなく、明確な意味を持った描写であれば
注意深く重ねていくうちに強い詩情を醸し出せるということ。
勉強になりました。


井上荒野
構成の神様みたい。
細かいところまで構成が行き届いていて、
それが捻りの効いた表現によってリアリティを持って浮き上がる。


繰り返す。すごかった。

今まで自分が書いてきたものは何だったんだろう、と思います。
それなりに買ってくれたお客さんがいて、
少ないながらも感想をくれた人がいて、
だから今まで書いた全ての作品に胸を張りたいと思う。

その一方で、どんどん湧き上がってくる感情を抑えることができない。
自分に対する怒りのようなもの。


そんなわけで明日が過ぎれば週末。
自分の原稿と向き合う時間になります。
いろいろとありますが、
「自分が何を描きたいのか」を
最優先して取り組みたいと思います。

理想を掲げ続けるということ。
迷わないということ。